2015年12月12日土曜日

松永亜矢香と香川 その3 香川の池と、あの夏の事

香川県の地図を見て気づくのは、その池&沼の多さ。池の数だけなら兵庫県がダントツなんですが、県の面積比からいうと、香川がトップです。あの日本一小さな県に14.000もの池がある。「治水(ちすい)」という言葉は、河川の氾濫を防ぐための改良工事の意味になってしまいましたが、本来は水の無い土地に水源を作り、河川が氾濫する土地においては、その対策を施す、という意味だったんです。雨も河川も少ない香川では古来より、ため池作りがさかんに行われてきました。
うどんさんは「松永亜矢香コスプレMAD第3期シリーズ・New!」を作るにあたり、香川の風景写真を何千枚も見てきました。はじめに心づいたのが、「池が美しい」という事です。写真は丸亀市にある宮池。池は農業用水を確保するだけではなく、魚や鳥や小動物、そして昆虫や植物たちの楽園にもなるのです。うしろにそびえるのが讃岐富士とも呼ばれる飯野山。
小魚や水中昆虫などを食べに水鳥さんたちが集まってきます。うどんさんは大の水鳥フリークで、青森の小川原湖湖沼群を命の充電地にしているのです。いつも湯治に行くのが、そこにある温泉。冬の早朝、小川原湖にいる何百羽もの白鳥が一斉に飛翔してく姿はなんとも壮観です。湖面から飛び立つとき、白鳥たちは翼で水面(みなも)をたたいてホバリングする。それを何百羽もが同時にやるものだから、あたり一面が、ダンダンダンダン・・・という大音響に包まれる。あの美しい湖にとどろく、あの地鳴りのような勇壮な妙音を亜矢香に聴かせてあげたいです。
話をもとに戻します。これは三豊市高瀬町の岩瀬池。そこにいるのはコウノトリさんじゃありませんか!あなた、コウノトリですよ、世界に2~3.000羽しかいないと言われているコウノトリ!ああ、何という豊かな自然。(ちなみに赤ちゃんを運んでくるとヨーロッパ言われている鳥は、コウノトリじゃなくてシュバシコウなのです)
善通寺市にある菖蒲池。香川のため池の代表的水生植物であるヒシ(在来種)が美しい。
「君がため 浮沼(うきぬ)の池の菱(ひし)摘(つ)むと、我が染(し)めし袖(そで)濡れにけるかも。 柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)万葉集
同じく善通寺市にある前池に咲くオニバスの花(天然記念物)。
ひさかたの雨も降らぬか。蓮葉(はちすば)に溜(た)まれる水の玉に似たる見む。詠み人知らず(万葉集)
学校では「詠み人知らずとは作者不明の意味」というデタラメを教わるんですが、作者の名を明記する必要がないほど、全ての人に共通する思いを歌いあげた優れた短歌が「詠み人知らず」と冠名されたのです。作者が誰かは分かっていたのです。(うどんさん、実は国文学士でもあるのであった。なはははは^^;)
20歳の時、はじめて奈良の橿原(かしはら)市を訪れました。有名な天香具山(あまのかぐやま)が小さな山だったので、拍子抜けしてしまった。でも、刻々と動く雲と風の匂いで、僕はスグに「古代人が神さまが降りてくる山」と崇めた事を合点した。香川の池と山がセットになった写真を観ていると、なぜだか奈良の大和三山が彷彿されるのです。
高松市公渕(きんぶち)公園の中にある城池。亜矢香の繊細で柔らかく、深みのある心を育んできたのが、香川の豊かな自然だったんだなぁと うどんさんは気づきました。そして、詩ができました。
「香川」

きみの故郷を訪ねてみた
青森から岡山まで行き
瀬戸大橋線で海峡を越え 香川に着いた

ここかしこに広がる豊かな湖沼には 水鳥たちが群れをなしていた
ちょっと待て あの稀なる植物群は なんだ
図鑑でしか知らなかったものが 目前に広がっているじゃないか
ああ 心がとろけていくような光景だ

前世の記憶をたどってみた
すべての生きもたち 草木たち それらの命が平等になる空間
つまり 日本の原風景が ここ香川にあった
あの こんもりした山は飯野山
ああ あの山も どの山も
いかにも精霊たちが住んでいそうな山である

ぼくは原始精霊さんたちに挨拶をするために 人のいない方 いない方へと行く
空で白鳥が 甲高く啼いた
ここが 君の心をつくった土地なのか
「突然ですが 当サイトは終了致しました。」 あの言葉が胸に去来した

あの夏を境に
僕たちはコミケに行くのをやめた

「どうしているかな 元気かな」
「香川に帰ったのかな」
「お嫁さんに行ったのかな」 (いずれも2ちゃんに投稿されていた言葉)

こんな あじきない気持ちで 仕事場に行くのが辛かった
ひとりの部屋で 君のCD-ROMを 毎日抱きしめていた
伝えたくても伝えられない思いだけが 募っていった
だが
そんな空っぽの年月を過ごすうち 僕たちは気がついたんだ
流れていく時の中で

きみは あの夏の日に 突然姿を消すことで
永遠に消えない姿かたちを 僕たちに残してくれたことを

僕たちの心の中の亜矢香は
いつでも 笑っている
可愛くて 健康的で 時には誰よりもたまらなくさせられた あの日の姿のままで
ねえ だから君は「さよなら」を言わなかったんだね
コウノトリが 空を低く旋回する
日本書紀にも出てくる鳥だ
豊岡から放鳥されたものが ここに住みついたのだろう

ああ 豊かなるは香川なり
僕たちは今 きみの心をを訪ねている

そこには美しい みどりの海と 古代から続く森があり
ここかしこなる湖沼は 生き物たちの楽園になっていた

ここが 君の心を育てた土地 「香川」である
自作詩をweb上に公開するのは、死ぬほど恥ずかしいです。いやホント。でも恐ろしいことに、恥ずかしさって どんどん慣れてくるもんなんですね。そして さらなる羞恥プレイが待っている。来年か再来年には、皆様方が知りたくもない うどんさんの素性&写真などをこのブログに公開することになりそうです・・・ああ、後悔が先にたつ。その時は、どうかみなさま 広い心で受け止めてやってくださいませ。
12月に入って、めっきり寒くなってきましたね。みなさま、風邪などひかぬよう お気をつけ下さい。 では、また。



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